2015/9/14 16:15 【現在地】
起点から約1.6km、配水池からはおおよそ200m、峠までは残り500mまで迫ったところ。
序盤の状況や、地図上の破線という表記具合を見れば、ここまで予想以上に頑張ってくれたとは思う。だが、ついにここで軽トラですらも通行を躊躇うような状況が現れてしまった。
大きく崩れている訳では無いので、どうしても通行したいという人ならば、多少の地均し作業をして先に行けると思うが、この直前で全ての軽トラの轍が途絶えており、そこまでして通っている車も無いようである。
もちろん、オフロードバイクとかなら、まだ問題は無い。
だが、一応は供用済みの県道を、県道として評価するなら、やはり乗用車程度は通れなければ、「通行可」と言うことは出来ないだろう。
不整地に強い特定の車種(自転車含む)や徒歩で通れるだけでは、廃道状態だと言われてもやむを得ない。
轍が途絶えたこの地点がどういう場所なのかと言えば、山間部に入ってから今までずっと道の右側にあった小さな沢を渡って、これからは左側に谷を見るようになる遷移の地点である。
とはいえ、地形図に水線が表現されていないほどの小さな沢の源流付近であり、渡るといっても橋はおろか暗渠さえないのだ。
ただ無造作に交差するだけで事足りているのだが、稀には出水があるせいで、この場所の路面が特に荒れているのだろう。
また、もしかしたら昔はこの場所にも狭い水田があったのかも知れない。
なぜかここだけ木が生えておらず、小さな草地が広がっていた。
今までとは反対に右山左谷となった道は、廃道と断言するほど悪くはないが、さりとて現役と言うにも心許ない微妙な荒れ方&草むし方で、続いていた。
序盤と明らかに違っているのは、かなりの急坂であるという事だ。
私は今日ここまでの長い走行で、もう出尽くしたのではないかというくらい汗を掻いており、夕暮れ近いこの時間になって、ようやく暑さと一緒に発汗も落ち着いていたのであるが、風の全くない鬱蒼とした谷をほとんど直登するに等しい急坂にしごかれては、たちまちのうちに汗を吹き出すのもやむを得ないことだった。
まあ、夏の峠越えをしているのだから、汗が出ない方が不健全だよな。
あと数百メートルで峠のはず。
辿り着きさえすれば、あとはもう自動的に休憩時間となる。それでも旅を進められるのは、