【周辺図(マピオン)】
2015/7/25 16:30
先日、和歌山県の東海岸に面する太地町をウロウロしていると、県道に面して口を空ける小さな隧道を見つけた。
太地町は、紀伊半島の南東部、熊野灘にピョコンと突き出した太地半島にある、和歌山県下最小の面積を持つ小さな自治体。古式捕鯨発祥の地と言われ、現在でも捕鯨文化や捕鯨の歴史を活用した街づくりが行われている。黒潮の青い海と温暖な気候が魅力的な漁業と観光の町である。
場所は右図の通りで、地理院地図を限界まで拡大しても、隧道は描かれていない。
だが、隧道がある道自体はちゃんと描かれていて、「現在地」の地点から南に入る道が等高線を跨ぐ所にそれはある。
地図を見る限り、敢えて隧道を掘らなくても少しだけ東西に迂回すれば良さそうな地形なのだが、ここでどんな隧道が見つかったのか、さっそく写真をご覧頂こう。
これはまた、 かぁいい隧道 である。
手前に止まっている軽トラのお陰で、大きさが分かり易い。
高さは軽トラより少しあるくらいで、幅はその1.5倍くらいだろうか。
かなりの小型隧道であるが、掘られている山自体が凄くコンパクトなので、これ以上大きな断面にしようとすると、もう切り通しになってしまうだろう。
隧道は県道240号の脇に口を空けており、車だと少し気付きづらいが、附近はミニ公園的な整備がされていて、気軽に潜っても良さそうな雰囲気である。
特に交通規制もない。
では、私も行かせてもらいましょう。
凄い人口密度だ!!(笑)
1メートル四方辺りの人数が、日中の新宿大ガードの歩道くらいありそう。
でも、なんか嬉しくなる。
近年では等閑視されることが多いミニ隧道が、ここではこんなに活躍してる。
実はこの日はもの凄く気温が高く、海風が入り込んでくる隧道内の日影は恰好の涼み場所だった。
それで地域の人たちが何となく集まっているんだと思う。
みなさま私が会釈をしてカメラを向けても、全く動じる様子が無く寛いでいらっしゃった。
そして初見の私に嬉しかったのは、公園と一緒に整備されたらしい1枚の解説板の存在だった。
この隧道に興味を持って訪れる全ての人に役立つ情報なので、全文を以下に転載する。
岩 門 (せきもん)
古来、和田の岩屋とか和田の岩門(せきもん)と呼ばれていた。
紀伊続風土記には「和田の岩穴 村の端磯