平成16年11月21日(日)
朝、ホテルの近くを歩いてみる。昨日の日中は汗ばむほどであったのに、朝はぐっと冷え込んで、
防寒着を着込まないと寒い。おそらく気温は5度以下であろう。山の中なので、寒暖の差が激しい。
地下のレストランで朝食。ブータン風のお粥、トゥクパを注文。
朝9時、ガイド登場。今日は日曜日なので、まず、週に一度の日曜市を見に行くことになった。
野菜、果物、魚、さらは仏具まで売っており、結構な人で賑わっていた。また、市場の周りには
さまざまな商店や食堂、肉屋などもあった。肉屋では、国産肉と輸入肉の両方が売られていたが、
いずれも、輸入肉の方が価格が安かった。インドからはるばる運んで来るから、国産肉より
高いはずなのにと思ってガイドに理由を聞くと、
「輸入肉は国産肉ほど新鮮でないから、安くても当然だと思うけれども、何か不思議ですか」
という答えであった。
市場、あるいは市内の商店などでもそうであるが、売られているものはブータンの国産品か
インドからの輸入品が主で、中国製品は皆無ではないにしても、それほど多くはなかった。
昨日見たように、外国に通ずる道はインドへの道一本だけであり、中国への道は閉ざされて
いるからだろう。その理由はもちろん、チベット問題である。宗教が絡んでいるだけに、
ブータンと中国との溝は非常に深い。インドを追い込みたい中国は、ブータンに経済援助を
申し入れているらしいが、ブータンはこれをかたくなに拒否している。
日曜市を見たあとは、記念塔を見に行った。これは、1974年に建てられた比較的新しいチベット様式
の仏塔で、第3代の国王が亡くなった後に、記念して作られたものらしい。仏を守り、悪と戦うゴンドゥー神
というのが祀られているが、チベット仏教というよりは、ヒンズー教の影響をかなり受けたもののように
見受けられた。やはり、 文化の混合地帯 なのであろう。
その次に、チャンガンカ僧院を見に行った。こちらは12世紀の建立である。四面如来像が安置され、
ブータン人は、子供が生まれたら、厄払いと名前を授かるためにここを訪れるという。今日は日曜日
ということもあって、大勢の参拝客で賑わっていた。特に子供が多かったが、ガイドに理由を尋ねると、
ブータンではもうすぐ試験の季節で、これらの子供たちは皆、祈願に訪れているのだということで
あった。それらの子供