管理規約に規定されている「専門委員会」とはかけ離れたもので、「同氏もタクシー運転手で、その他のメンバーも、規定にあるマンション管理士、1級建築士ではない。
しかし、大規模修繕終了後、8人のメンバーの報酬として、1人8万円を要求。2人が辞退したにもかかわらず、8人分を6人で山分けした」(同団地住民ら)という。
また、住民によると、同理事長(昨年度)が昨年から会計事務所に一部マンションの会計委託を提案、総会決議がなされたが、総会議案書には、同事務所の名前、所在地、契約内容など、一切、公表されない実態が明らかになっているという。
団地の歴史は半世紀に及ぶが、同理事長が転入してきたのは平成17(2005)年頃。しかし、転入後、すぐさま理事長就任を希望し、その後、大規模修繕の専門委員会を立ち上げた。
建て替えが急ピッチの千里ニュータウン
「千里ニュータウンでは2007年、吹田市などの自治体や都市再生機構が千里ニュータウン再生指針を打ち出し、老朽化した団地やマンションによる建て替えが急ピッチで進んでいる。
分譲住宅では容積率の剰余分で建物を高層化し、増えた住戸を売却。それで得た資金で建て替え費用をまかなうケースが主流。公的賃貸住宅でも、住棟の高層化と集約で余剰の敷地を再活用し、不動産会社などへ売却することで建築費を捻出している」(吹田市市議)。
そういった「新生・千里ニュータウン」の再開発が進み、新住民が移住してくる一方、千里にはまだまだ、前述のような半世紀も経つが建て替えを断念し、自主管理を続けるところは少なくない。
当然、住民の多くは、高齢者だ。しかも、50年前、その環境や団地が気に入って人生最大の買い物をしたから、団地への愛着は人一倍だ。
一方、こうした老朽化した分譲住宅は賃貸でけでなく、空き家も増える現状で、入居する新住民も、「購入価格が安いから、賃貸料が安いから」と、単に経済的理由で引っ越してくる。
当然、旧住民と新住民では、団地に対する愛着度も団地運営の姿勢や価値観もかけ離れている場合が多い。
ケヤキが違法に伐採された後の同住宅正面入り口の変貌(住民提供)。今後吹田市が安全性などお墨つきを与えたあと、この一部コンクリートを剥がし、団地側面から1メートル、1階バルコニー約60センチ眼下の近距離に、2面の屋根つき駐輪場(バイクも収容)が完成予定。しかしながら、発火可能性