おっぱい山
日本各地に「おっぱい山」との愛称で呼ばれている山は幾つもあると思う。
北海道でその名で親しまれているのは、東大雪にある西クマネシリ岳とピリベツ岳。
南西の十勝三股やニペソツ方向から見ると、良くぞ名付けたと思われるほど均整のとれたおっぱいの形をしていて、思わずニヤッとしてしまう。
クマネシリとはアイヌ語で物干棒のようなものの意味だそうで、クマネシリ岳の東尾根が平らな台地状に長く延びている事から名付けられたらしい。
今回は十勝三股の少し北にあるシンノスケ三の沢林道を4kmほど入った所から西クマネシリ岳に登り、次いで稜線続きのピリベツ岳へ、そして下山は両山のコルから薮を漕いで登山口へ戻る計画である。
胎内?
登山口へ向かうシンノスケ三の沢林道は小さな標識が出ているものの目標が少なく分かりづらい。
糠平方面からはニペソツ・石狩岳への林道標識から北へ約4km、三国トンネルからは南へ約11km、東に入る林道である。
シンノスケ三の沢林道を道なりに走ると約4kmの土場に「西クマネシリ岳登山口」の小さな標識がある。
ここから西クマネシリの南西尾根に取り付くまでは三の沢沿いに進むのだが、沢の中を進んだり道が無くなっていたりと、分かりにくく迷い易いと評判の林道であった。
覚悟して進むと地元の方達が草刈りをして下さったのか道は明瞭で、しかもこれでもかという位、ピンクテープが吊り下げられている。
お陰で迷う心配は皆無であった。有り難うございます。
沢沿いの道
薄暗い林道、沢の音が響き、トラツグミの「ヒー・ヒ〜ン」という物悲しげな鳴き声の中をテープに導かれ進んでいく、おっぱい山というイメージが強いためか、母の胎内はこんな感じなのかも知れないと思った。
やがて廃屋となった小屋の横を通る。
廃屋
南西尾根
廃屋を過ぎ、少し行くと沢を左に分け、南西尾根に近づいていく。
下山時は左に分けた沢沿いを降りて来る事になるのだろうと概略の地形を頭に入れる。
C1200m付近から道は一二度屈曲するが、ピンクテープとケルンがあるので心配は無い。
C1250mから南西尾根の右側を登り始める。
次第に傾斜は増して来るが大した事は無く、所々に咲いている花を愛でながらゆっくり足を進めた。
エゾノレイジンソウ
麗人のオッパイかなど不埒な事を思いつつ、岳樺の明るい木漏れ日の下を登る。
明るい