もう一度、右図を見て欲しい。
平成14年から17年にかけて検討された青崩峠道路(三遠南信自動車道)の4本の候補ルートが一同に表示してある。
最終的に「B案」が採用となり、その結果、平成6年に青崩峠道路の先行開通部として供用されていた草木トンネルは、その予定ルートから除外されることとなったというのが、同トンネルの高速道から一般道へという希有な転身の真相だった。
しかし、ここで注目して欲しいのは、草木トンネルと中央構造線の位置関係である。
前回私は青崩峠道路の工事の紆余曲折を指して、漠然とこう表した。
「“中央構造線”という我が国の土木史上最大級の難敵が相手だった」 と。
………でも。
草木トンネルが、中央構造線を突破してるよね?
「一般道になってるな」って、何気なく通り過ぎてしまったけど、草木トンネルも実はスゴイんじゃないの?
だから、今回は草木トンネルをもう一度!
外見的には結構平凡な姿になってしまった草木トンネルの、もっとドキドキ出来た“むかし”を、
(それは自専道時代よりも、もっと昔かも知れない)
“扉の向こう”へ、探しに行こう!
2011/3/3 7:13 【現在地】
全長1311mをもって中央構造線なる大断層を貫通している草木トンネル。
先ほどのルート図によれば、中央構造線とは、トンネル中央よりもやや西側(池島側)で交わっているようだが、
当然、トンネル内にはこれといって異常な風景は存在しない。
この写真は、全体がS字形をしているトンネルの中間部にある約500mの直線部を、草木側から見通している。
右側の壁に2箇所の横坑が見えるが、これからその奥を探索する。
手前の草木側横坑から参ろうか。
横坑入口。
トンネル内の誘導標示板は、これら横坑を非常口として案内していないように思われるが、実際はご覧の通りだ。
さて、前回この扉を開けて向こう側を確かめてから、間もなく30分が経過しようとしている。
もし、避難坑の照明が自動で消灯するならば、もうそろそろ消灯していても良い頃だと思うが…。
消えているだろうか…。
消えてなかった!
で、でも自動で点いたんだから、自動で消えるんだよね?
自動で消えるはずだよ。1時間くらい放置していれば…。
ますます悪化していく電気の無駄遣いを申し訳なく思いつつも、
私のために点灯している照明を有効に活用しなければと、