2014/11/11 15:29 《現在地》
ショートカットルートを用いることで、目指す工事用道路橋へ下から接近する今回の作戦は、うまく実を結びそうだ。
そして地形図でも確かにそのように描かれているが、橋は連続して2本あった。
一つの沢を渡るのに2本の橋を架けた理由だが、ちょうどこの沢が二又になっているそのすぐ上で渡っているためだった。
それも直線の橋の組み合わせではなく、カーブゆるやか二した2本の橋で、工事用道路の無骨なイメージとは違っていた。
連続する2本の橋へ迫ろうとする私が採るべきルートは、三択だ。
右か中央か左かいずれかの斜面を登って、橋の袂へ辿り着きたい。
どれにするか悩んだが、地形的には右側から攻めるのが一番楽そうだったので、この写真の位置から向かって右の斜面に取り付いた。
斜面はかなり急だったが、手がかりとなる樹木が多く茂っているために、全身を使ってガシガシとよじ登るパワープレイが可能だった。
このような冬枯れの季節に訪れたことは、大正解だったと思う。
視線の高さに小枝が多く、盛夏期だったらジャングルだったかもしれない。
ただ、芯に生命を宿した小枝の反発により、何度も顔をバシバシと叩かれたのには、うんざりした。
これでもさっきの激藪廃道を素直に辿るよりは、だいぶマシだろうが……、トゲがないだけでも。
それにしても、なんだか木々の姿が異様だ。
どの木も枝張りがうねうねと踊るような姿をしている。そして、どの木もある程度より大きくなることはできないようだった。
全てはこの土地の環境が生み出した景観なのだろうが、“魔女の森”なんていうワードを連想した。
おおっ!
これは、良いものだ! 廃橋として、とてもシンプルに格好いい眺め!
それにいま初めて知ったのだが、 工事用道路とは思えないほどに本格的な構造をしている! これには思わずにっこり。
袰内斜坑を発見した時点で、この道の正体を工事用道路と確信した私だったが、同時にほんの少しだけ、橋の訪問に対する期待感の下落があった。
それはなぜかといえば、工事用道路の橋なんて どうせ仮設橋だろう と思ったからだった。
皆様も工事現場でしばしば見ているのではないだろうか、 【このような姿】 の仮設橋を。
仮設橋といえば大抵は鋼鉄製の橋材を組み立てたものであり、いくつかのパターンに沿った似