【周辺地図(マピオン)】
栃木県道62号今市氏家線 は、栃木県日光市とさくら市を結ぶ全長28kmほどの主要地方道だ。
路線名が示すとおり、旧今市(いまいち)市と旧氏家(うじいえ)町それぞれの中心地を、ほぼ最短距離で東西に連絡する経路は、鬼怒川およびその支流である大谷川に沿っており、概ね平坦である。
県内有数の交通量を誇る日光街道(国道119号)と陸羽街道(国道4号)を短絡するルートであり、それなりの需要がありそうに思えるが、全線のほぼ中間で 鬼怒川を渡る辺りに、約2kmの 【自動車交通不能区間】 未改良道路(供用を開始している)のうち幅員、曲線半径、勾配その他道路状況により、最大積載量4トンの貨物自動車が通行できない区間をいう。 が存在しており、現在も解消していない。
交通不能区間の周辺を道路地図帳で見ると、鬼怒川北岸の塩谷町上沢(うわさわ)から風見地区にかけて、ぷっつりと県道の途切れている。ここが自動車交通不能区間である。
この手の大きな河川を横断する県道の不通区間は、橋の未架設を原因としたものが多いなか、この路線は既は橋が開通しているにも拘わらず、その先で途切れているところが変わっている。
なお、この区間の北側に隣接して、1車線ではあるが鋪装済みの手頃な町道が通じており、迂回して通行すること自体は可能である。
さて、先ほど私は、この県道には「自動車交通不能区間」があると書いた。
ゆえに、慣れた読者諸兄は既に理解したはずだ。
県道は供用済み(=未開通ではない)ということを。
事実、詳細さに定評のある地理院地図を見てみると、 道路地図帳には描かれていなかったごく細い道が、鬼怒川の河川敷じみた場所にひょろひょろと描かれており、そこに県道の色が塗られている ことに気付く。
地理院地図とて万能ではない。
間違いを犯すこともあるので、(探索後ではあるが)万全を期して、現地を管轄する栃木県矢板土木事務所に直接問い合わせて、県道のルートを確認したところ、地理院地図の通りのルートが県道として供用済みで、かつ自動車交通不能区間であるとの言質を得た。
この 鬼怒川の河川敷じみた場所にひょろひょろと描かれた道 は、間違いなく、現行の「主要地方道今市氏家線」だというのである。
今市側より、現地レポートを開始する。
県道62号今市氏家線は、JR今市駅前の国道119号小倉町交