2008/7/2 10:23 【現在地(別ウィンドウ)】
この「新入山トンネル」だが、
実は 「しんにゅうやま」ではなく、
「にゅうにゅうやま トンネル」 と呼ぶ。
…と、読者の一人がコメントを下さった(大笑) ←座布団全部上げます。
動と静。
1面2相を一洞に宿した入山隧道。
いま、県道に供された「静」の坑口より脱出なる。
そこにあるものは、我々と、皆様のご想像通り……。
信濃川水系最大の湖、 梓湖(あずさこ)だ。
奈川渡ダムによって貯留された水の総量は1億2300万立方メートルもあり、これは同じ長野県の諏訪湖の2倍の容量である。(アーチダムとしては、全国6位の貯水量)
こうして目前にすると、確かに巨大だ。
しかし、この湖の膨大な水量は湖面の大きさより、その深さによるところが大きい。
沈んでいる谷の深さは、このダム堤体付近で湖面から数えて120mを超えている。
湖の平面形は平仮名の「く」の字を逆さにした形で、ダムはその頂点にある。
向かって左の腕が奈川で、沿う道は境峠を越えて木祖村(県道26号)や、野麦峠を超えて飛騨高山方面(県道39号)へと通じる。
右の腕は梓川の本流で、沿うのは国道158号。安房峠を頂点に飛騨方面へ通じる。
いずれの腕も、上流5km以上にわたって細く長く、そして深い湖水を連ねている。
前回の最後に、「未発見の廃道」を匂わせる記述をしたが、その謎解きは取りあえず後回しにして、少し周辺を確かめてみよう。
その中にも、いろいろとこの「入山隧道」の過去を思わせるものがある。
新入山の西側坑口から出ると、湖面を望む丁字路になっている。
左折方向にも、私にとって思い出の深い“オイシイ隧道”たちが並んでいるが、今回は右折だ。
こちら側も、国道158号と合流するまでの約150mが県道26号に指定されている。
新入山隧道の坑口前の様子。
左写真は、木祖側から坑口へ接近した際に目にする青看。右折して隧道へ侵入することは出来ないことが、シンプルに表現されている。
遠方に見える建物は、道路左がレストハウス、右が「梓川テプコ館」という東電のPR施設だ。
そして、昭和40年代らしくシンプルな作りの坑門。
こちら側からは進入出来ないので、お馴染みの「トンネルナンバーのプレート」も取り付けられてはいない。
代わりに、進入禁止の規制標識が