歴史 [編集]
1956年(昭和31年)
8月26日? - 国有鉄道広尾線の幸福仮乗降場(局設定)として開業。
11月1日 - 駅に昇格。幸福駅となる。旅客のみ取扱い。
1987年(昭和62年)2月2日 - 広尾線の廃線に伴い廃止となる。
駅構造 [編集]
廃止時点で、単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。ホームは線路の東側(広尾方面に向かって左手側)に存在した。転轍機を持たない棒線駅となっていた。
開業時からの無人駅だがホーム南側の出入口から東側に少し離れた位置に待合所機能のみの木造駅舎を有した[1]。駅舎内に売店があり、簡易委託駅として乗車券の販売が行われていた。別棟でトイレを有した。駅舎の前には「ようこそ愛の国から幸福へ」と記載されたアーチが設置されていた[2]。
駅名の由来 [編集]
近隣を流れる札内川は、広大な河原のわりには水量が少ない。そのためアイヌ語で「乾いた川」を意味する「サツナイ」と呼ばれていた[注 1]。1897年(明治30年)、福井県大野から集団移住が行われ、入植者によって拓かれた村には幸震の字があてられた。「ナイ」に震をあてたのは、地震のことを古語で「なゐ」と呼ぶためである。しかし難読であるため、次第に音読みで「こうしん」と呼ばれるようになった[注 2]。その後、幸震には福井からの移住者(「福井団体」という)が多かったことにちなみ、集落名が幸福と改められた。
利用状況 [編集]
1981年度(昭和56年度)の1日乗降客数は13人[1]。
駅周辺 [編集]
国道236号(広尾国道)[3]
帯広広尾自動車道幸福インターチェンジ
幸福簡易郵便局
幸福神社
札内川[3]
十勝バス「幸福」停留所 - 広尾線代替バス、とかち帯広空港連絡
「愛の国から幸福へ」ブーム [編集]
この駅は一部の旅人に注目されていたが、1973年3月、NHKの紀行番組『新日本紀行』において『幸福への旅 〜帯広〜』として紹介されたことから知名度が上昇した[注 3]。
周りの駅は相次いで幸福駅までの乗車券を増刷し、幸福駅付近の商店も入場券の販売をするようになる。特に幸福駅より2つ帯広駅寄りの愛国駅と併せて、「愛国から幸福ゆき」という切符が一大ブームとなる。1974年にはこれを元にした歌「愛の国から幸福へ」(歌:芹洋子)も登場した。前年には7枚しか売れなかった愛国 - 幸福間の切