今回は、ミニレポの名前に相応しい、小さな山の、小さな道路を紹介しよう。
【周辺図(マピオン)】
舞台は、茨城県笠間市の中心部にこんもりと盛り上がった 佐白山 (さしろさん)だ。
左の写真は、笠間市街地から東に見えるその姿である。
標高は205mであるが、麓の地平も海抜が50mほどあるので、実質は150mくらいの高さをもった“小山”である。
そしてこの小さな山には、その名もズバリ「 佐白山観光道路 」という道路が存在する。
右図は現行の地理院地図だが、標高100mより上の山腹をぐるりと周回( 第1のループ )しながら、一部で山頂付近へも登っている道路がそれである。
一周約2.6km。
大した距離の道では無いけれど、小さな山だけあって、この観光道路は佐白山というものを存分に味わい尽くしているように見える。
登山と周遊を1本で満足させているとか、なかなか無い道路である。
しかも、この道には山頂附近に、双耳をなす峰の間くぐるような短いトンネルまで用意されている。
で、このトンネルを含めた山頂付近もまたループに近い線形である。
これが 第2のループ だ。
さて、この道にはサブタイトルの通り、 “第3のループ” もあるのだが、それはどこかというのが、本編のお話し。
2016/4/17 15:16 【現在地】
笠間市の代名詞的存在である笠間稲荷がある市の中心部から、佐白山への進路をとる。
車は麓の観光駐車場に停め、いつも通り自転車でのアプローチだ。
近世の笠間は、水戸街道の宿場町であり、笠間稲荷の門前町であり、かつまた笠間城を頂く城下町であった。
そしてそのお城の所在地が、まさに佐白山の山頂であった。
現在もお堀や石垣などの遺構が随所に残る全山が笠間県立自然公園として保護されており、麓から少し入るだけで鬱蒼とした木々の緑が、路上の空を小さくした。
そんな静かな市道を10分ばかり漕ぎ進むと、目指す観光道路の起点に着く。
15:25 【現在地】
標高150mのこの広い駐車場は、「千人溜り跡」と呼ばれている。
私は城跡には詳しくないが、各地の城跡に同じような名前の広場がある。山城が、その本分であるところの戦を、よく戦うための施設であろう。
そして、このまま真っ直ぐ進めば、高い木々の下に「大手門跡」と呼ばれている場所がある。
道なりに残り50mの高