2014/2/1 7:30 (30分経過) 【現在地】
現在地は麓の平岩駅から500mほど登った所にある登山道「朝熊岳道」の跨線橋下で、ほぼ中間地点である。
ここで来た道を振り返っても、下草のため路盤の見通しが悪く、麓の駅まで見通すことは出来ないが、現役当時は綺麗に見通せていたであろう。
右の写真は、現役当時の平岩駅で撮影されたものだが、ずっと先の方に小さく跨線橋が写っている。
そこが「現在地」である。
この写真を見ると、私が足で感じてきた勾配の変化がよく分かる。
平岩駅を出てすぐに一段階急になり、それからまた少ししてもう一段急になっている。
客車が写っている辺りから先は、傍目から見てももの凄い急勾配だ。我ながら、こんな所を登っていたのかと驚く風景だ。
5分ほど休憩し息を整えた。そして7:30に再出発した。
おそらく、今過ぎた登山道から路盤に立ち入る人がいるためだろう。
周囲の藪は深いものの、一筋の踏み跡が出来ていて、見通しは悪くない。
急斜面になっている路盤ではなく、その左側に付けられた階段の部分を歩けるだけで、だいぶ楽に感じる。
もっとも、山自体が崩れつつあるのか、路盤は歪んでいて、階段の段差もてんでバラバラになっていた。
歩きづらいが、これでは藪や急斜面よりは遙かにマシである。
なお、ここから少し先までは、本に書いてあったので先が分かる。
これから間もなく“本当の”中間地点である 交換所 の跡があって、その先には道中最大の遺構ともいえる 隧道 が待ち受けているはずだ。
楽しみな遺構との遭遇は近い!
というか、 もう見えはじめた!
…ああ、なんかそわそわする。
上手く言えないが、首を上向きにした先に隧道を見るというのは不思議な感覚だ。
普通の車道や道路では考えられないような急坂の向こうに隧道を見ることへの違和感だろうか。
それに、隧道が潜っている切り立った尾根が放つ圧迫感。まるで頭上に覆い被さってくるようだ。呼吸を整えたはずなのに、息苦しさを覚える。
だが、終点はあの高く見える尾根よりもさらに高い。半分来たとは言っても、まだ先は長いのだと理解した。
7:35 【現在地】
全長1078mの鋼索線のちょうど中間である539m地点には、短い復線区間の「交換所」が設けられていた。
これは単線の線路上に2台の車両を交互に走らせる、「単線