【周辺図(マピオン)】
今回紹介するのは、旅先で偶然出会った古橋である。
場所は和歌山県南部の白浜町、数年前までは日置川町と呼ばれていた辺りだ。
ここにはその名の通り、日置川という大きな川が流れているんだが、そいつは南紀の三大河川の末弟であるらしく“日置三郎”なんて呼ばれたりもするらしい(ちなみに兄弟は“熊野太郎”と“古座次郎”だそうだ)。
そしてそんな見所のありそうな“日置三郎”の最も河口に近いところに架かっているのが、今回紹介する2本の橋。
これまた、名前からしていかにも分かり易い兄弟橋の “日置小橋”と“日置大橋” なのである。
大きな川を、2本の橋を渡り継いで攻略するって、なんか浪漫を感じるぜ。
右図は、今回の探索地点を示した最新の地形図である。
これを見れば一目瞭然だが、日置川の河口近くを2本の橋で渡るというのは、このように川の真ん中に浮かんだ大きな中洲を中継点にして渡っていくということだったのである。
だいだい、川の中洲なんていうものは不安定なもので、洪水の度に位置が変わってしまったりするから、“橋休め”には余り役に立たないというのが定説だと思うのだが、調べてみるとこの日置川河口の「中芝」と呼ばれる中洲は、記録が残る江戸時代からずっと存在し続けているという、もし中洲界に長者番付なんてあったら西の関脇くらいにはノミネートされそうな奴なのである。
とまあ、少し話しが脱線したが、この中洲を挟んで南側(左岸側)が日置小橋、上流側が日置大橋と呼ばれている。
そして、これが本稿の真のポイント。
日置小橋も日置大橋も、それぞれ1本だけじゃないんですよ!!
なんと、良く並んで2本ずつ架かっていたりする。
しかも、片方は国道で片方は県道という太っ腹ぶり(?)である。
それでは現地の景色を見てもらいましょう。「現在地」の所から、いざ自転車に乗ってスタート!
2015/7/26 15:11
日置兄弟橋の弟分にあたる日置小橋は、小橋なんて呼ぶのが申し訳なくなるような立派なトラス橋であった。
形式としては下路の曲弦ワーレントラスで、曲弦というところに、そこはかとない年代を感じる。
でも、そんな老朽橋という感じもしないしっかりとした橋である。
そいつが2径間並んで、日置川に浮かぶ大きな中洲の左岸側水路を跨いでいた。
そしてこの日置小橋に対して、やや斜行しなが