【周辺図(マピオン)】
和歌山県道228号高瀬古座停車場線は、紀伊半島の南端に近い和歌山県古座川町と串本町を結……ぼうとしている、推定全長約6kmの短い一般県道である。
路線の概要は右図を見て頂きたいが、古座川町の月野瀬にある起点から串本町のJR紀勢本線古座駅前の終点まで、全線が古座川に沿っている。
起点も終点も県道38号すさみ古座線との交差点になっており、同県道とは古座川を挟んで鏡の関係にあるかのようだ。
しかし悲しいかなこの県道、交通量が比較的多い東半分では、自分より路線番号が若い県道との重用区間が長くて、単独区間は僅かである。
そして、ようやくまとまった単独区間になるはずだった西半分には、開通区間よりも長い未開通区間が存在しており、通り抜け不可能である。
推定全長約6kmの内訳は、開通済みの単独区間1.5km、開通済みの重用区間1.7km、不通区間2.8kmとなる。こんなんで真っ当な存在感をアピールしろというのは無理な話であり、いわゆる“不遇路線”というやつだろう。
これが地理院地図に見る不通区間の全貌である。
地理院地図では古座川町高瀬から串本町古田付近に至る不通区間に、道は一切描かれていない。
しかも、川岸の地形はかなり険しそうに見える。
さすがに不通区間内に道が存在しないならばどうにもならないが、描かれていないだけで、実は道があるという可能性に期待したい。
というわけで、県道228号の起点から探索をスタートしよう。
2014/3/27 14:45 【現在地】
やって参りました、起点です。
古座川沿いの「古座街道」こと県道38号は、古座川流域の交通量を集めて海沿いの都市部へと往来させる重要路線である。
だが、そこから分かれる県道228号に対しては、本当に最低限度の案内しかされていなかった。
ツタに絡まれてよく見えない分岐用のミニヘキサが、本当に控えめに置かれているだけ。
早速右折して探索を開始する。
探索の足は、もちろんいつも通りの自転車だ。
不通区間で分断されている県道228号の起点側には、わずか300mしか道が描かれていない。
そしてこの300mの半分を担当するのが、昭和56(1981)年竣工という高瀬橋だ。
古い地形図や「角川日本地名辞典」によると、先代の高瀬橋は昭和34(1959)年に現在地の少し上流に架けられていたらし