果たして、大月トンネル貫通の可否は?
2013/3/15 6:47 【現在地】
光が見える = 貫通!
ぃよっしゃあっ!
助かった!! これで希望は繋がった!
だが、これは明らかに尋常の状態ではない。
大月トンネルは、閉塞こそしていなかったものの、
確かに「全面通行止め」だと町が宣告するのも頷ける状況にあったといえる。
もっとも、その宣告が行われた時期や、その当時の状況は不明なのであるが。
ここまで崩れ果てる以前から、道は相当に怪しい状況になっていたはずだ。
小型自動車が最後に通ったのがいつかなんて、この隧道の状況からは想像さえ出来ない。
これは酷い。
写真でもお分かりいただけるであろう。
隧道の長さは僅か30mほどしかないのだが、その後半の半分は、洞床が次第に天井へ近付いていくという、普通ではない状況になっていた。
もちろんこれは崩落した土砂のせいだ。
しかも洞内ではない。
案外に隧道内の壁は壊れておらず、大きな亀裂も見あたらない。
そういう意味では、隧道そのものは案外に健在なのだ。
この隧道の半分を埋め尽くそうとしている膨大な土砂はみな、これから私が出ようとしている神妻側坑口の西口から雪崩れ込んで来たものなのである。
一体、外はどうなっている?
例え隧道を突破したとしても、全く予断は許されないぞ…。
隧道内部には、これと言って印象に残るようなものは無かったのだろう。
或いは、西口の先の状況が気になりすぎていて、洞内観察が些か疎かになった嫌いがないでもないのだが、しかしそれもやむを得ないと自己弁護したくなるほどの西口の恐ろしさなのだった。
幸いにして、西口を塞ごうとしている土砂はかなり締まっていて、最近に崩落したものでは無さそうだ。
しかも土ではなく岩石主体なので滑りやすいこともなく、自転車という大荷物を運び上げるという面倒事も、達成するのはさほど難しくなかった。
とはいえ、この締まった土砂の山がもう少し多く積もっていたら、隧道は完全に埋没してしまうのである。
このままでは、いつ完全閉塞に至るか分からない。少し大きめな石がひとつ落ちてきただけで、もう終わってしまう状況になっている。
6:50 【現在地】
まあ、こんな感じだろうなと思ってた…。
ひどい有り様である。
なんというか、山が流れたようになっていた。
道がどこにあったのかなんて