2014/4/2 15:23 【現在地】
さて、「世紀のもの」といっても差し支えがないであろう、巨大木造トラスの詳細を見ていこうと思うが、その前に、これまでの探索で分かっている情報を簡単にまとめておこう。
・構造は木造トラスで、形式は上路橋。
・橋は1スパンで、全長は目測30m程度、高さは20m以上。
・親柱など、橋の正式な名称を知る手掛かりは無し。
・竣工年も不明。ただ、隣にある落合橋の竣功が昭和39年であり、廃止年は昭和39年と判断出来る。
次の目的は、橋が跨ぐ西高畠沢の谷底まで降りて、そこから橋の全体像を眺める事だ。多くの場合、橋が橋として最も美しさを発揮するのは、真下ではなく、少し離れた場所から見上げたときであると思うので、その“特等席の視座”を探しに行こう。
さて、この辺から、谷底を目指してみよう。
ここは新旧の落合橋の間である。
迂回すれば、もっと楽に降りられる場所もあるかも知れないが、出来るだけ観察対象の旧落合橋が見える場所を通って行きたい。
そうすれば、例えこのルートでは目的を達成出来なかったとしても、無駄にはならないと思う。
そして事実、行動開始直後から、アツイ眺めが私の目を喜ばせ始めた。
もう、早速にして興奮すべき眺めであった。
木造トラスは現代において極めて現存例が少ない、貴重な存在である。
このことは本編中でも既述しているし、当サイトでこれまで数百の廃道を取り上げてきた中でも初めての遭遇であることからも、十分にお分かりいただけると思う。
そしてそんな希少な橋梁であるだけに、橋そのもののダイナミックなシルエットは当然だが、この写真に写っている橋台の構造や、橋台に載せられた橋の部材の細かな配置、端部の意匠など些細な部位についても、興奮すべき大きな価値があった。
通常、木造トラスは白黒写真の中だけの風景であり、これらははじめて“触れる”ものだった。
この橋台横の斜面は、本橋を味わう上での最初の“黄金の視座”となった。
いま、混じりっけなしの全貌が、遂に明かされる!
至宝である。
これが、土木学会選奨土木遺産に認定されていないのは、不可解だ。
ぶ、分析だ!
木造トラスなんて今まで評価したことが無いので、間違いも書くかもしれないが、ご指摘いただければ修正したい。
とにかく、私の知識で分かる範囲での分析である。
本橋の形式は、上路ダブ