大錠

大錠

[1] 大錠

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[2] 橋梁レポート 上小阿仁村南沢の廃水路橋, , http://yamaiga.com/bridge/kamikoani/main3.html

灰内沢での水路橋発見から3週間後、今度は独り自転車で、小阿仁川上流の谷間に来ていた。

ここは小阿仁川沿いでは最上流の集落となる八木沢で、灰内沢出合から本流を約3kmさかのぼった所にある。

ご覧の通り、山中としては願ってもない平地に開けた美しい集落だが、この日は本格的な冬を前にした1週間ぶりの晴天とあって、各家の軒先には冬囲の準備をする住民たちの姿を見る事が出来、普段以上の活気を感じる事が出来た。

私がお話しをお伺いしたご老人もそんな住人の一人で、今は秋田市内に住んでいるが、今日は戻って作業をしているとのことであった。

この日私がここを訪れた元よりの理由は、3週間前の水路橋の再調査などではなく、全く別件だった。

水路橋については前回満足していて、それ以上をことさら期待することもせず、次第に忘却の世界に傾きつつあったのだ。

しかし、私の聞きたかった廃道の話し、そしてかつてここを通じていた林鉄の話しと気分良く話し込んでいるうちに、最後に思い出して、「そういえば、水路が…」と切り出したのが発端だった。

結果、分かった。

水路全体のアウトライン。

なんでもこの水路、建設されたのは戦時中とのことで、目的は予想通り発電用。

小阿仁川の水を八木沢集落のすぐ下流で分水し、左岸の地下にほぼ水平の水路を掘ってこれを導水。約4.5km下流の大錠(おおじょう)地区で再び小阿仁川に水を落すが、このときの落差(推定50m)で発電所のタービンをまわして発電を行っていたというから、これは典型的な水路式発電所だったようだ。

実際、稼動していた当時、八木沢集落の人々もこの保全に携わったとのことで、秋場など大量の落葉が導水路に入り込んで水の流れが悪くなると、一時的に水門を閉めて水を止め、カンテラを持って隧道に潜っては、つまりの除去を行うような事もあったという。(あれだけ巨大な水路が落葉で詰まるというのもにわかには信じがたいが、長野県の別の発電水路では、ミズゴケの除去のために導水隧道の清掃をかつて定期的に行っていたという話しを聞いたことがある。或いはそういうこともあったかも知れない)

そしてしばらく水を止めていると、発電所の方から電話が掛かってきて、「水を流してくれ」と催促されるような事もあったと言うから、この通りならば些かのどかな風景を連想する。

しかし、少なくとも戦時中の建設当時は、苛烈な統制

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