お待たせしました。
いよいよ、フィナーレに繋がる前の… クライマックスが始まるのである。
この道に与えられたクライマックスとは、どんな展開だと思うだろう? 予想して欲しい。
初回を見ている皆さんは、この西山側の大崩落(画像)…というか“山体崩壊斜面との戦い”こそがそれであろうと、そう思われるかもしれない。
…かく言う私も、全くそのように予想していたし、
むしろ、それ以外の展開というのは想像していなかったのであるが…
実はより一層強い印象を私に与えたのは、この既知である山体崩壊斜面ではなかった。
では、なにか?
予測して貰いたい。
…難しいだろうか?
“ヒント”といいつつ、半ば“答え”を、先にお見せしようと思う。
次の図こそは、
この後に私を待ち受けていた“尋常ならざる道路風景”を予言している。
「カシミール3D」の機能を使って地形図を立体表示してみたのが、上の図だ。
県道は、姫川右岸の急斜面に、車道の常識を超越するような激坂として描かれている。
そして現在地から、もう少し進めば、私はその急坂へと差し掛かるのだった。
― さあ、クライマックスの始まりだ。 ―
2012/6/1 7:10 【現在地】
激藪の道が続いている。
もしも私が突然この場所に放り込まれたのなら、おおよそ道の確信を持ちかねるような激藪道であるが、既に西山廃村の“肥料袋の封鎖地点”から30分をこの藪と過しているから、慣れた景色であった。
しかも少し前から路面にコンクリートの舗装が現れていた。
急坂であるがゆえの部分的な舗装であろうか?
何度も言うように、今心配なのはこの先で前進不可能となって引き返してくる羽目になった場合である。
藪と過した時間は30分という「ほどほど」の長さではあったが、それは下り坂という“有利”を最大限に活かしての成績であることを重く認識していた。
この段階で私は既に、下る事への“気”疲れを感じていたのである。
コンクリート舗装の急坂区間はさほど長くはなく、それが終ると再び、前方にやや開けた土地が現れた。
この平らな土地が道の続きであったら、どんなによかったろうと思うが、まるで山の中で突然出会う地図にもない“沼”のような印象である。
アシが深く茂るこの平地の正体もかつての水田のようであり、道は縁を半周するように向かって右側の斜面を通行していた。
そしてこの部分の路