六厩金山の金鉱石に関するデータは未見であるが、天生鉱山のものに近かった
と考えられ、高い金の含有率が砂金の源と考えられる。
「日本希元素鉱物」には、『六厩金山群』との記述があり、小さな坑道が数多くあった
らしく、産地に至る途中、六厩川の川岸露頭部分に、旧坑跡を見ることができる。
「鉱物採集ガイドブック」の記述では、「桐ヶ谷洞谷」は基盤岩が露出していて砂金
採集に好適となっているが、2004年の集中豪雨か台風で上流から大きな岩塊や砂礫が
流れてきて厚く堆積し、基盤岩は見られず、砂金採集には不適であった。
そこで、六厩川岸に生えている葦などの植物を引き抜き、根に付いている土砂を
パンニング皿に受け、川の淀みでパンニングした。
旧坑跡 「桐ヶ洞谷」との合流点
砂金産地
4. 産出鉱物
(1)砂金【Placerv Gold:Au】
パンニングすると黄鉄鉱とそれが錆びた「武石」が多量に残り、「日本鉱産誌」の
記述を裏付けている。砂金も一緒に流してしまわないにように、慎重にパンニングすると
最後に黄金色の砂金が残る。
砂金は、一般には薄ぺらい”�ノ状”のものが多いのだが、六厩のものは”紐状””団塊状”
を示し、山金に近い形態をとどめており、原産地に近いことがうかがわれる。
砂金(自然金)
(2)ジルコン【Zircon:ZrSiO4】
金剛(ダイヤモンド)光沢、透明〜褐色〜薄紅色、四角短柱状で両端が錐面の
結晶で産する。結晶は最大でも1mm程度と小さく、最後までパンニング皿に残った
砂を実体顕微鏡で覗きながら先端を唾で濡らした楊枝を使い拾い上げます。
ジルコン
5.おわりに
(1)清冽な六厩川の流れは夏でも冷たく、パンニングする手がかじかむほどです。
「日本希元素鉱物」には、希元素鉱物産地として「白川郷」が記述されており
ジルコンなどの希元素鉱物が他の産地に比べ多く、モリブデン鉱などに伴って
放射能鉱物の存在が考えられるようです。
(2)飛騨國・白川の領主・内ヶ嶋氏理は初代為氏から数えて3代目の帰雲(くもがえり)
城主であった。氏理の代になって、飛騨國も戦国の動乱に巻き込まれ、天正13年
(1585年)秀吉の北陸・飛騨侵攻に際し、秀吉の敵・富山の佐々成政に加担した。
戦に敗れた後、ただ