牛岳車道(うしだけしゃどう) なる道を知った。
巨大な開通記念碑の傍にあった解説板によれば…
牛岳車道とは、地元の石灰採掘業者の手によって明治23年、金屋(旧庄川町)から牛岳山腹の石灰山(旧利賀村)の間に建設された、馬車運搬道路だ。
つまりこれは、私が最も愛する廃道のジャンルである「明治馬車道」ということになる。
事前にその名を知っていれば、少しは下調べもしただろうが、今回は探索の開始直後に飛び入りでこの話を知った。
だから、私がこのレポートで辿った道が牛岳車道であったとか、或いは無かったとかの答え合わせは、全て帰宅後に「利賀村史」で知ったことである。
その事を念頭に置いて読み進めて貰うと、あまりもどかしい気持ちにならないで済むかも知れない。
なにせ、現場で一番もどかしがったのは、かく言う私だった。
「この道が牛岳車道? ねぇ?違うの?!」 ってな具合に。
…とはいっても、「牛岳車道」という表題でレポートを始めた以上、そんなに分かりにくい事にはならないと思う。
むしろややこしいのは、牛岳車道以外の道も色々とある平野に近い序盤(特に今回)で、目指す利賀の地に近付いていけば道の数も減り、自然と牛岳車道の存在が浮かび上がってくることとなった。
というわけで、今回はその「ややこしいエリア」の話である。
だから、今回だけは表題にも「牛岳車道」の他に、「国道156号旧道」を加えている。
そして実はもう一本のルートも登場する。
明治だけじゃなく、大正、昭和まで色々な時代の道が入り組んでいるので、本当にややこしい。
今回紹介するのは、この旧庄川町の金屋から小牧地区にかけてだ。
小牧は白川方面へ向かう国道156号と、利賀へ向かう国道471号の分岐地点であり、金屋を起点としていた牛岳車道もここを通行したことは間違いない。
そして、そのルートとして可能性が高いと思われたのが、現に開通記念碑も置かれているこの旧国道だ。
旧国道は現国道の金屋トンネルのすぐ下を、一回り短いトンネルで抜けているようだが、果たしてそれは明治由来の隧道なのか。
さっそく楽しみなのである。
2009/4/29 6:38
牛岳車道の記念碑は、旧道と現国道の間の僅かなスペースにあった。
そして旧道をそこからほんの少し進んだ川側には、関西電力小牧水力発電所がある。
このレポートでも次回登