岩手県和賀郡の特にこの錦秋湖周辺は、森吉と並んで、山行がには特になじみの深い土地である。
それは言うまでもなく、これまでに幾度もの良質の探索を提供してくれたと言うことだ。
具体的には、2003年度の山行がレポの読者人気投票第1位となった「 錦秋湖 水没遺構群 」を筆頭に、本年度の「 和賀計画 」など、本レポ(=道路レポ)クラスを二本紹介できているし、隧道レポとしても「 大荒沢隧道 」や、「 謎のトンネル 」などというのもあった。
これらは、全て錦秋湖の湖畔や、そのすぐ下流の和賀仙人地域に集中している。
そんな、私をアツくしてやまない和賀に関する、新しい情報がもたらされたのは、この夏のことである。
複数の読者様から教えて頂いた情報によれば、
9月末から11月の下旬にかけて、湯田ダムの設備更新工事などに伴い、通常の最低水位よりも、さらに6メートルも、水位を下げる のだという。
湯田ダムと言えば、もちろん錦秋湖を生み出したダムである。
つまりは、いくつもの水没遺構が眠ると期待される、あの錦秋湖が、かつて無い水位まで減水するというのである。
こっ、これは重要情報である。
予定していた山チャリ計画を急遽キャンセルして、錦秋湖への幾度めかの探索に赴いたのは、掲示板などにも、ちらほらと水位減少の情報が書き込まれ始めた、10月上旬のことである。
ただし、時間の都合上、かつて探索したことのある汀線ギリギリのラインは探索対象外とさせていた。
具体的には、「旧北上線 本内隧道」や「スノーシェード跡」、それに対岸の国道107号線の旧橋遺構群などである。
上記のものは、全て先に挙げた「錦秋湖水没遺構群」のレポをご覧頂きたい。
ずばり、今回のターゲットは一つだ。
それは、衝撃の鍾乳隧道、旧北上線仙人隧道だ。
ダム下流の和賀仙人地区と、現在は水没し、駅も消滅した大荒沢地区とを繋ぐ、北上線最長の隧道仙人隧道の、その大荒沢側坑門である。
果たして、二度と訪れぬかも知れない、最低水位以下の水位に、隧道の痕跡は現れるのか?!
流石に現存は難しいというのが、率直な予想ではあったが、とにかく行ってみた。
そして、そこで見た水位の低さは、“何か”を期待させるに充分なものであった。
この日、色々走った後に、最後の目的地として、錦秋湖へと来た。
時刻は、もう15時をまわっ