太田トンネル

太田トンネル

[1] 太田トンネル

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[2] 道路レポート 北海道道740号北檜山大成線 太田トンネル未成遺構, , http://yamaiga.com/road/dd740/main6.html

2018/4/27 17:24 《現在地》

異形に満ちた閉塞地点から、逃げるように撤収したのは7分前のこと。

今はもうトンネルからも脱出し、その足で特徴的なラッパ型坑門まで上ってきた。そして、おそらくもう二度とここから眺めることはないだろう夕日を眺めていた。

しかし残念ながら、この美しい今日の終わり際をじっくり堪能している暇はない。日が水平線に落ちきる前に、いくつかの難所を持つ海岸線を戻らなければならない。

復路、開始!

17:38

さっそくだが、ここまで来れば一安心だ。

いまは最大の高巻き(難場�D)を攻略し終えたところだ。

距離のうえではまだ4分の1も戻れていないが、往路で一番「危ない!」と思った難所がここだった。

先を知っている帰路だからこそ、許される時間になっている。

往路と同じ海岸だが、北海道の西の端から見送る北海道最後の夕日は、とても新鮮だった。

探索での大きな成果を抱えて帰る夕焼けの道は、何もかもが誇らしく、輝かしく見えた。

今回の北海道探索全体を通じて、今が幸せの絶頂だ。

“山行が”には勿体ないくらいフォトジェニックな景色に包まれながら、黙々と歩くことしばし、別れた時とは全く違う色を纏う、見覚えのある道が見えてきた。

「無事に戻ってきたぞ! 歓迎してくれるか、道よ!

いまの私は、知っているぞ。

お前の生き別れた片割れが、どうなったか。その現況を。

そして、“天狗トンネル”という、お前の生来の名も。

全てを知って、帰ってきたぞ!」

18:11 《現在地》

天狗覆道坑口前の閉鎖ゲート、自転車の在処へと戻ってきた。

ここから天狗トンネル北口までの海岸迂回の行程は、往路で約55分を要したが、復路は30分足らずで終わった。

通れる場所が予め分かっている状況だと、道なき道でもこのくらい素早く行き来できるということだ。

話の流れとしては、これにて大団円というのが最もすっきりしそうだが、忘れてはいない、ひとつだけやり残しがあったことを。

ここから始まる天狗覆道と、その奥に続く天狗トンネルの大成側部分を、まだ探索していない。

これらは、時間切れになることを心配して往路で先送りしていた部分だ。

最後にこれをやっつけよう。

まずはフェンスを越えて、その向こう側の水面へ飛び降りる。 バッシャン!

未成ゆえに一度も灯されることのなかったナトリ

[7] 道路レポート 北海道道740号 北檜山大成線 太田トンネル未成遺構, , http://yamaiga.com/road/dd740/main.html

【周辺地図(マピオン)】

北海道道740号北檜山大成線 は、道南部の渡島(おしま)半島にある久遠(くどう)郡せたな町内を走る、全長約34kmの一般道道である。 全線が日本海の海岸線近くにあり、その全長の中間付近で北海道本島の最西端である 尾花岬 (おばなみさき)を通過するが、その周辺は特に険しい海崖地形になっており、 全長3kmを越える道道最長の太田トンネル が存在する。

太田トンネルの完成によって本路線が全通を果たしたのは、平成25(2013)年というかなり最近の出来事である。それまでは永い間“不通道道”であった。

そして、この数年前まで不通であった区間内に、思わず私が探索し報告したくなるような道が見つかった。

本稿はその発見から探索に至るまでのレポートである。

(なお、本稿は当サイトにおける北海道内の最初のレポートである)

左図は、尾花岬付近を描いた 最新の地理院地図と平成3(1991)年版地形図の比較 である。

まず前者だが、うんざりするほど長い太田トンネルの姿が描かれている。

蛇行しながらも、なかなか海岸へ顔を出そうとしないその姿からは、地形のあまりの劣悪に一度は陸行を断念した人類が、長年磨き上げた土木技術を地球にぶつけて切り開いた“力業”の迫真を感じずにはいられない。この北の大地にも私が愛して已まない土木の英知は、しっかりと行き渡っているようだ。このトンネルは、地図で見るだけでも興奮する。たまらにゃい!!

続いて後者(チェンジ後の地図)だが、太田トンネルの偉大な姿はまだ影も形も見られない。

平成17(2005)年にトンネル工事の進展を待って合併を果たした、郡も違っていた旧大成(たいせい)町と旧北檜山(きたひやま)町の領域は、絶対の分断者のように立ちはだかる尾花岬の尾根によって厳然と切り分けられている。

この岬を突破する道らしいものは、徒歩道すら描かれておらず、実際に歴史を紐解いてみても、この両町間の陸上交通は、明治以来ずっと海岸線から10kmも内陸にある太櫓越(ふとろごえ、現在は国道229号が通過)によってのみ担保されていたという。この海岸を越す道は、なかったのである。

だが、しかしである。

平成3年の地形図をよく見ると、尾花岬にまでは遠く及ばないまでも、現在の太田トンネルの南口がある大成側の太田集落から500mほど北まで、海岸線を通る行き止

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[8] この記事はSuikaWiki Worldに作成されました。 に最終更新されました。 https://world.suikawiki.org/spots/25645855903859383

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