2017/6/17 16:32 《現在地》
この写真は、前回最後のシーンのほんの少しだけ手前の“クズ”のエリアだ。
これまではこんなにクズが路上にはびこっている場面はなかったのに、末端の予感が近づくこの場所で、急にこうなった。
そして、路上に現れた障害物は、このクズだけではなかった。
無造作な感じに置かれた3台の 木製A型バリケード があった。
真っ当に国道を封鎖していたものではなく、工事現場の一角といった雰囲気だが、それらに取り付けられた太陽電池式の発光器が一つだけ生き残っていて点滅を続けていた。工事関係者さえいなくなってしまった現場で、それは健気な姿だった。
さて、改めて前回最後のシーンだ。
旧道北口から500m。逆算して南口まで残り400mという地点で、前方の道が寸断しているのが見えた。
本当に寸断なのかはまだ分からないが、少なくともここからはそう見えた。
はっきり言えるのは、20mほど先で2車線の路盤が全幅にわたって陥没していることだ。ガードレールも引きづられるように、への字に折れ曲がっていた。
そしてそんな絶対的異常である陥没の縁までの間で私の進路を塞ぐものは、申し訳程度に設置された土嚢の一山だけであった。
それが最後の「understand?」
普段は過保護な道路だが、今はとっくにそんな保護の外にいる。それを実感させられる眺めだった。
先を見たいと逸る気持ちを抑えて、手前にあるものから順に確認していく。
(←)これは上写真の矢印の位置に立っていた、1本の木製標柱である。
正体は工事標だ。工事現場ではよく見るアイテムだが、本来なら完工時に撤去される一時設置物なはずである。
標柱の道路に面した3面に、次のような内容の細かな文字がびっしりと書かれていた。
平成26年災害 (一)静岡焼津線 査定第2号
工事位置 焼津市浜当目地内 申請額1.540.835千円
道路災害復旧工事 復旧延長L=62m 頭部排土工15174m 3 法枠鉄筋挿入工3297m 2
●●●工209本 モタレ擁壁工1376m 3
内容からして、この道を襲った災害に対する「災害復旧工事」の記録物だ。
62mの道路を復旧させる工事に約15億円の工費が予定されていたことが分かる。
また、「頭部排土工」や「法枠鉄筋挿入工」などと書かれている数量は、道路と一緒に被災