2015/5/9 8:07 【現在地】
ゲートを越えると、行く手には視界いっぱいに堤防が横たわっており、県道はそこを乗り越えていく。
川の支配領域から人間の支配領域へと、県道はこの堤防を越えることで復活する。
堤防の高さは、目測だが10mくらいもありそうだ。これから踏み込む風見集落の全てを守る要なのだろう。
この高い堤防の頂上に達したところで、約2km続いたが特に県道を証明するもののなかった“河川敷県道”は、最後まで静かに終焉を迎えた。
なお、堤防上の“矢印”の方向には、“河川敷県道”へ入る前に探索した 【未成道の終点】 がある。
堤防上から、【未成道の終点】の方向(西)を遠望。
地理院地図には、堤防の向かって左側の法下に細い車道が描かれているが、実際には見あたらないし、堤防上も100mほど先からは背丈を超える深い藪になっていて、おおよそ400m先の堤防左側にあるはずの【未成道の終点】は、ここからは全く見通せない。(藪が深く行ってみる気にもならなかった)
なお、堤防右下に広がっている帯状の空き地は、風見側に計画されている新道の予定地であるようだ。
既に土地が用意されているが、道としての工事はまだ行われていない。
最終的には、未成道と新道は400m先で堤防を乗り越えて繋がり、 一連の“新たな県道”になるはずだ。
こちらは同じ堤防上の位置から、東側を撮影。
堤防を乗り越えるために県道が描いているヘアピンカーブが愛おしい。
通行量が絶望的に少ないからいいものの、もし“主要地方道”並みに多かったら、忽ちパンクしてしまうだろう。
そして、これから 風見(かざみ) の集落に県道は入っていくが、かっこいい地名である。「角川日本地名大辞典」を検索しても、全国で「風見」はここしかヒットしない。収録しているのは大字レベル以上の地名や著名な山や川などだから、小地名としては各地にあるのかも知れないが、平易な文字の組合せとしては稀な粋地名だと思う。
…話しが脱線したが、ここから先の県道は、今までとは少し違った意味で、複雑な経路を辿る。先に地図を見てもらおう。
地理院地図を見ると、「現在地」の少し先で、県道として黄色く着色された道は跡絶えている。
そこから200mほど水田を挟んだ先で、再び県道色の道が始まり、風見集落の手前で屈折しながら新しい県道へ合流する経路になっている。