2014/12/27 14:22
起点付近から先回りしてやってきた次の現場は、ここ。
片倉集落の南の外れに架かる、新片倉橋という大きな橋だ。
ダムの建設に伴って整備された市道の一部であり、平成に入ってからの架設である。
笹川を渡るこの橋から、第三の証言者が「隧道現存」を教えてくれた地点までは目と鼻の先であるから、アプローチ方法についての事前情報は無いものの、ここから適当に探してみようと思う。
まずは、橋の上から軌道跡や隧道そのものが見えるのかどうかのチェックだ。
まあ、流石に隧道までは見えないだろうが。
なにせこの橋自体はこれまで別の探索の折にも自転車で何度か通行しており、下を見下ろす機会もあった。これでもし丸見えだったとしたら、私は私の目を疑わねばならなくなる。
まずは、直前まで私が探索していた下流方向の眺めだ。
強い西日を背にしているため、谷底の様子はブラックアウトしてしまっているが、これだけでも橋の高さが伝わるだろう。
地形及び地相としては、向かって左の左岸は険しい岩壁になっており、疎らに木々が生えている。
対して右岸はやや緩傾斜で、広い杉の植林地になっている。
第三の証言者の地図によれば、軌道跡は右岸の森の中にあるはずだが、上からは林床が見えないので、軌道跡の有無も見通せない。
なお写真の奥の方で谷が右側に大きくカーブしているのが見て取れると思うが、あのカーブの少し先(下流)まで先ほど探索している。
この橋のある場所は、軌道の起点からおおよそ700mで、私の撤退地点(=軌道が笹川を渡る地点)からは400mである。
対して上流側の眺めだが、今度はキツい逆光のために、谷の様子はだいぶ見えにくくなっていた。
とにかく、谷が深いことと、向かって右側の左岸が極めて急峻であることは分かる。
そして、軌道跡があると見られる左側の右岸も視界が利かず、地表に何が有るのかは分からない。
結論として、この新片倉橋の上からは、隧道はもちろん、軌道跡の存在も窺い知ることは出来ないようだ。
流石にここから見てあからさまなようならば、とうの昔からこの軌道跡の存在は多くの林鉄ファンに知られていただろう。
…といったところで、次のステップに移る。
いよいよ隧道を探しに行くのであるが、前も書いたように、アプローチルートも細かい位置も分からない。
したがってここ