2008/7/2 14:43
全5ステージの旧道のうち、序盤2ステージの攻略を完了。続いて中盤となる第3ステージだが、既に距離の上では半分を過ぎている。
そして、第3ステージは旧道ベースで約1.4kmあり、これは第1ステージに次いで長い。
このステージを現道は、延長756mの清水隧道と263mの白なぎ隧道、そしてこれらを連結する白なぎ橋によって短絡している。
現道の延長に対する構造物比は9割を越え、まさに難地形を力業で乗り越えた姿であるわけだが、この区間が平成元年に開通したことで沢渡〜中ノ湯間の全線改良が完成した経緯がある。
よって第3ステージは一連の旧道の中で最も新しいはずなのだが、なぜか他のステージは点線として残っている地形図からも表記が消えてしまっている。
川縁に多数の崖の記号だけを残して点線さえ失ってしまった旧道は、不気味な存在と我々の目に映った。
ここは、ステージ間の新旧道一致部分。
何の変哲もない2車線道路であるが、前方には既に戦端が開かれている。
そして、折り重なるように立ちはだかる山の高さに、アルプスと呼ばれる山深さを知るのである。
また、完全な寄り道ではあるが、この辺りから対岸に渡る吊り橋がある。
かなりスパルタン&ストイックな橋なので、吊り橋の構造美を愛する人はぜひ渡ってみたいと感じるだろう。
対岸の発電水路に関連した作業者通路用の簡易吊り橋。
なんといっても目を引くのがその渡り板の細さで、メジャーで測ったところ24cmしかない。
長さ高さもそれなりにあり、これだけ剛体が小さいわけだから、当然えらい具合に揺れる。
もし悪ふざけでもしようものなら、バウンドするのではないかと思われるほど。
吊り橋好きには堪らない一橋だが、 立入禁止! になっている。残念。
この区間内では新山吹隧道に次いで長く、また唯一平成生まれの清水隧道。
それだけに、坑口に鳥のレリーフが飾ってあったり、トンネル情報板が設置してあったりと、近代的な装いである。
逆に、一番最初に竣功した新山吹隧道(昭和48年竣功)が一番長かったというところに、あの「雷岩」や「百間長屋」がどれほど現代交通に耐え難い難所であったのかが偲ばれるのである。
そして、清水隧道が生まれた当時既にそれは無かったが、旧道上に先代の清水隧道がかつてあった。
写真左の旧道上、高い岩場が露出し