[1] 若宮戸
去年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の水があふれた茨城県常総市の若宮戸地区で建設が進められてきた堤防の一部が完成し、地元の人たちを対象にした見学会が開かれました。
県内では、救助の要請が相次いでいます。県の災害対策本部によりますと、午後2時半までに常総市、結城市、つくばみらい市、それに下妻市から住民の救助要請が来ているということです。常総市によりますと午後0時半現在、浸水の被害が起きている本石下地区と若宮戸地区を中心に39件の救助の要請があり、少なくとも合わせて80人が身動きが取れなくなっているということです。常総警察署には、住民からの通報が相次いでいるということですが、浸水が広い範囲に及んでいる上、流れ込んでいる水の勢いが強く、多くの場所で警察官が現場まで近づくことができないため市内での被害の全容の把握が難しい状況が続いているということです。 また常総市内のスーパー、「アピタ石下店」では午前10時15分ごろから店内に水が入り始め、午後4時ごろには1階部分が2メートルほど浸水してさらに水位が上昇しているということです。店内には客や近所の人などおよそ30人がいて、従業員を含めておよそ70人が2階で一緒に救助を待っているということです。スーパーの運営会社では、日没が迫っているため2階の従業員用のスペースを開放するなどして、避難に時間がかかる場合、宿泊してもらうことも検討しているということです。運営会社では「水位がさらにあがってきたら屋上に移ってもらうこともあるかもしれない。お客さんの安全を第一に考えて対応していきたい」と話しています。 常総市によりますと、鬼怒川が決壊した影響で、市の東側に水道を供給していた浄水場が水没したため、午後5時から鬼怒川の東側のすべての地域で断水しているということです。断水している地域の中には避難所もあることから、常総市では川の西側にある浄水場から、水を供給できないか、対応を検討しているということです。国土交通省関東地方整備局によりますと、常総市では鬼怒川の堤防の決壊で、周辺の建物への被害は最大で6900棟に上るとみられるということです。 ほかの市や町でも浸水被害が相次いでいます。結城市では10日正午ごろ、中地区と山王地区で住宅の周りが浸水し、合わせて4人が取り残されているという連絡がありました。また、下妻警察署によりますと鬼怒川の堤防が決壊した常総市に隣接する下妻市の原地区でも住宅の周りが浸水していて住宅2棟が水につかり、子ども6人を含む11人が孤立しているということです。古河市では西仁連川の堤防が決壊
鬼怒川水害「太陽光事業者の掘削が要因では」 住民指摘千葉卓朗、牛尾梓2015年9月11日21時26分北関東や東北を中心に降った記録的な豪雨により浸水被害を受けた茨城県常総市若宮戸地区で、民間の太陽光発電事業者が鬼怒川の土手付近の掘削工事をしたことが、水害の要因になったのではないかと住民らが指摘している。川があふれた現場は工事場所周辺とみられ、地元住民は昨年から、危険性を訴えていた。この地区は、鬼怒川が決壊した三坂町地区の上流約5キロにあり、10日は決壊より前に越水被害を受けた。常総市議会の昨年5月定例会の会議録によると、若宮戸地区の鬼怒川沿いには堤防のない区間が約1キロあり、自然の土手が堤防の役割を担ってきた。昨年3月、住民からの通報で、そのうち約150メートルにわたって高さが約2メートル削られていたことがわかった。この区間は民有地で、民間の太陽光発電事業者がソーラーパネルを設置するために掘削したという。この地区で農業を営む小林康裕さん(66)は昨春、関東地方整備局の担当者に「何とかしないと危険だ」と電話で訴えた。地区の自治会や市議にも危険性を訴え、議会で取り上げられたという。小林さんは「不安が的中した。誰がどういう理由で、土手の掘削を認めたのか、明確にしてほしい」と憤る。市側の指摘を受け、鬼怒川を管理する国土交通省下館河川事務所は、削られた部分に土囊(どのう)を積み上げた。その後、堤防を早急に設置するため、測量や設計を実施するなど、対策を本格化させたところだった。(千葉卓朗、牛尾梓)
鬼怒川水害「太陽光事業者の掘削が要因では」 住民指摘
千葉卓朗、牛尾梓
2015年9月11日21時26分
北関東や東北を中心に降った記録的な豪雨により浸水被害を受けた茨城県常総市若宮戸地区で、民間の太陽光発電事業者が鬼怒川の土手付近の掘削工事をしたことが、水害の要因になったのではないかと住民らが指摘している。川があふれた現場は工事場所周辺とみられ、地元住民は昨年から、危険性を訴えていた。
この地区は、鬼怒川が決壊した三坂町地区の上流約5キロにあり、10日は決壊より前に越水被害を受けた。
常総市議会の昨年5月定例会の会議録によると、若宮戸地区の鬼怒川沿いには堤防のない区間が約1キロあり、自然の土手が堤防の役割を担ってきた。昨年3月、住民からの通報で、そのうち約150メートルにわたって高さが約2メートル削られていたことがわかった。この区間は民有地で、民間の太陽光発電事業者がソーラーパネルを設置するために掘削したという。
この地区で農業を営む小林康裕さん(66)は昨春、関東地方整備局の担当者に「何とかしないと危険だ」と電話で訴えた。地区の自治会や市議にも危険性を訴え、議会で取り上げられたという。小林さんは「不安が的中した。誰がどういう理由で、土手の掘削を認めたのか、明確にしてほしい」と憤る。
市側の指摘を受け、鬼怒川を管理する国土交通省下館河川事務所は、削られた部分に土囊(どのう)を積み上げた。その後、堤防を早急に設置するため、測量や設計を実施するなど、対策を本格化させたところだった。(千葉卓朗、牛尾梓)
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越水「人災だ」住民反対押し切りソーラーパネル設置
[2015年9月12日9時23分 紙面から]
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鬼怒川から大規模な水害が発生した茨城県常総市で11日、住民の逆井(さかさい)正夫さん(67)が「これは人災だ」と訴えた。同市若宮戸地区では、昨年3月ごろから大規模太陽光発電所(メガソーラー)が建設されたことがきっかけで自然堤防が削り取られた。豪雨による濁流はその場所から越水し、住宅地をのみ込んだとみられる。
近隣住民で最後までメガソーラーの建設に反対していたのは逆井さんだった。昨年3月ごろから常総市、国土交通省の担当者らに鬼怒川氾濫の恐れを訴えた。今回の水害では同市三坂地区の堤防が決壊し、若宮戸地区で越水が発生した。
建設場所は私有地だったが、「生命や財産を失う不安があった。それらを守る権利が国民にはある」と声を上げ続けた。しかし、同年5月には、同市石下庁舎の職員に「何かあれば自己責任で逃げてください」と切り捨てられた。「鼻つまみ者にされたんだ」。役所に味方にされず、逆井さんは地域で孤立していった。
高さ2~3メートルの自然堤防が約150メートルにわたって切り崩された。メガソーラー建設地に自宅が面している遠藤玲子さん(59)は「自然堤防と生い茂った木々のおかげで、2階からでも昔は鬼怒川は見えなかった」という。
逆井さんは「本当に悔しいよ」と憤る。13年11月に病気で亡くした妻幸子さん(享年60)の遺骨は今も自宅にあった。がれきにまみれた幸子さんの車いすを手に「女房を守るためにも堤防を削るなとずっと戦ってきたんだ」と涙が噴き出た。自宅には濁流が流れ込み、妻が大好きだったバラや家庭菜園も全て流された。
近隣住民の50代女性は建設業者に脅されたという。「危ないから山を崩さないでと言ったら『あんまり騒ぐと、ここに住めなくなるよ。いいんですか』とすごまれた」と振り返る。自宅が壊滅的被害
鬼怒川左岸25.35k付近(常総市若宮戸地先)において、実態的には堤防のような役割を果たしていた地形(以下「いわゆる自然堤防」という。)を、事業者がソーラーパネルを設置するために掘削したことについて、国土交通省が問題ないと回答していた又は黙認していたという趣旨の報道がなされておりますが、以下のとおり事実と異なる点がございますので、ご報告させて頂きます。 ○ソーラーパネルが設置された場所は、河川法の適用範囲外であり、河川管理者として行為規制に関する権限はありません。 ○国土交通省は、平成26年3月に「いわゆる自然堤防」が掘削されはじめていることを把握し、4月に掘削を行っている事業者と面会しました。 ○その際、事業者に対し、「当該地が堤防のない箇所であり、洪水時には浸水するおそれがあること」を直接伝え、常総市とともに「現地盤の高さで残すことができないか」強く申し入れましたが、合意に至りませんでした。 ○そのため、「いわゆる自然堤防」が掘削される前の最も低い箇所と同程度の高さを確保するための緊急的な措置として、当該事業者の土地を借地し、大型土のうを設置することについて、5月に当該事業者と協議を開始し、事業者の了承を得た上で7月初旬に設置を完了しました。
[7] この記事はSuikaWiki Worldで2015-09-12T03:34:22Zに作成されました。 2016-08-28T02:32:21Zに最終更新されました。 https://world.suikawiki.org/spots/24140404087688436