2014/3/27 15:10 【現在地】
県道228号の地形図には全く描かれていない不通区間中枢域へと立ち入っている。
道は描かれていなくても、この先にはいくらかの水田の記号がある。
道があること自体は当然だったが、その道の入口に、ご覧のような「県道である」ことを認める看板が出ていることは、全くの想定外だった。
その内容を読むと、ここから「才ノ谷」という場所までの道路は、水道管埋設のために特に地主から協力を得て建設した県道であり、幅1.5mの外は全て私有地だという。
幅1.5mって、激狭である。いわゆる軽トラ専用道というやつか。
そして、「水道管敷設のため」というのは、この道の舗装の下に水道管が埋設されているということなのだと思うが、詳細はわからない。
とにかく、「才ノ谷」まで県道であるという言質を得た! 参ろう!
看板の所から150mばかり杉の植林地を走ると、山が川縁に押し出すように迫ってきた。
両者の隙間にある県道も自然と傾斜の中に置かれるようになり、いよいよ1.5mという道の狭さを実感するような景観に変わっていく。
県道だと思えばこそ、この先の展開が楽しみで仕方なかった。
一体何を見せてくれるだろうか。
うわー…
えげつないカーブだな。
県道として道路管理者が掲げた規制標識などはないものの、完全にこれは普通車も無理だろ。
山側の地面にタイヤを乗り上げて、何とか曲がりきれるかという感じ。
余りに狭いが、ガードレールなんていうものはない。すぐ下は、さほど落差はないものの、古座川の川岸である。
危ういカーブを切り抜けて、再び平穏な場面に。
古座川峡の風景が美しい。対岸に月野瀬集落が長閑に広がっていた。
しかしどう見てもこれは、束の間の平穏だ。
前方には、直前のものとは比較にならないほど高く切り立った崖が、ガコンと突き出しているのが見えた。
直前の小さな出っぱりでもあんな道だったのに、次の崖は、一体どうなってしまうのか。
ともあれ、自転車ならばどんな狭さも安心だ。だから純粋に楽しみだ。
万が一クルマでここに来たとしたら、気が気でないどころか、進退極まること明白。
ここまで一度も待避所のようなものがない。
定規で丁寧に幅1.5mを測って敷かれたのであろうコンクリート鋪装だけが、道の全てであった。離合は不可能。
対向車が来たら絶望的だ