No.38 ◎ 玉山村のアィヌ語地名
…好摩(こうま)…
「こうま」の地名由来を和語の範囲の中で解釈しようとしても無理があるようです。
やはり、この地名も、次のようなアィヌ語を語源に持つ古地名として考えるべきであると思います。
「こうま」は、=アィヌ語の「ク・オマ・ナィ(ku・oma・nay)」または「ク・オマ・イ(ku・oma・i)」の後略の「ク・オマ(ku・oma)」が語源であり、その意味は、
=「仕掛け弓・そこにある・沢」か、または、
=「仕掛け弓・そこにある・所」になります。
…渋民(しぶたみ)…
「しぶたみ」も、アィヌ語を語源に持つ古地名であり、次のような解釈があると思います。
1.「しぶたみ」の語源は、=アィヌ語の「スプ・タ・アン・ムィ(sup・ta・an・muy)」→「スプタムムィ(suptammuy)」で、その意味は、
=「渦流・そこに・ある・淵」になります。
2.「しぶたみ」は、=アィヌ語の「スプン・タ・アン・ムィ(supun・ta・an・muy)」→「スプンタムムィ(supuntammuy)」の転訛で、その意味は、
=「ウグイ・そこに・いる・淵」にもなります。
…宇登(うとう)…
「宇登」については宮守村の「宇洞」と同義だと思いますのでそちらの方をご参照ください。
…夏間木(なつまぎ)…
「なつまぎ」も次のようなアィヌ語系の古地名だと思います。
「なつまぎ」の語源は、=アィヌ語の「ヌッ・マク・キム(nut・mak・kim)」→「ヌッマキム(nutmakim)」で、その意味は、
=「静かな流れの・後ろ・山」になります。
…沢目(さわめ)…
「さわめ」は、和語の「沢前」の転訛だろうという見方もありますが、これは和語というよりも、次のようなアィヌ語から転訛した古地名と見た方がより納得のいく解釈になるようです。
「さわめ」の語源は、=アィヌ語の「サ・ワ・アン・メム(sa・wa・an・mem)」→「サワムメム(sawammem)」で、その意味は、
=「前・に・ある・泉池」になります。
…芋田(いもた)…
「いもた」も、和語地名として説明しようとするのは無理があるようで、次のようなアィヌ語系の古地名として受け止めたいと思います。
「いもた」の語源は、=アィヌ語の「イ・モ・オタ(i・mo・ota)」→「イモタ(imota)」で、その意味は、
=「(聖なる)それ