【広域図(マピオン)】
新潟県道526号の完抜作戦は、平成24年6月1日に決行された。
敢えない撤退から約2年も時間が空いたことに深い意味は無く、単純に自宅からは少々遠い場所であることや、他の探索も忙しく未だ前回の国道148号旧道さえ(サイトで)紹介し切れていないという状況が、気になりつつもなかなか再挑戦の時を与えなかったのだ。
今回は前回とは反対に、東の蒲池側からの峠越えを目指す事にする。
その最大の理由は、前回の撤退地点を自転車同伴で突破する事を考えた時、かなりの高低差を路外の斜面踏破によって克服しなければならないと思われたが、単純に「上げ」よりも「下げ」の方が楽だし、苦労して突破した後は“既知の道”であるほうが遙かに安全だからである。
探索はいつものように単独行とし、出発地点は大糸線の根知(ねち)駅と定めた。
そこから県道225号で根知川沿いに県道526号の起点である蒲池(がまいけ)を目指そう。
なお、今回は二度目なので失敗をしたくない。
そんなわけで多少の下調べをしようと思い、「県道蒲池西山線」のキーワードでネットを検索してみたが、情報は少なく核心部の状況も不明であった。
だが、はっきりしたのはこの道が案の定、平成7年に発生した「7.11豪雨災害」以来通行止めの状態が続いているということだ。
新潟県公式の道路情報サイトによると、同県道の糸魚川市西山地内の「2.5km」区間を対象とした、「落石・土砂崩落」を原因とする「全面通行止」の規制が「当分の間」実施されているとのことだった。
当県道の全長7.1kmのうち、真に注意すべきは2.5kmということだ!
そしてこのうち前回走破し得た0.4kmを除いた2.1kmが、今回の最大の攻略目標といえるだろう。
ところで…、
二度目の出発前の時点でも、私はまだこう思っていた。
この県道は、良く見る災害を原因とする不通県道であり、それさえ無ければまあ普通の“険道”なんだろう…、と。
憶測からの侮りは、甘い。
挑めば分かる、この県道の“尋常ではない素顔”……それは終盤で現れる……。
なかなか復旧されないのは、むしろ道の側に原因が…………。
2012/6/1 4:42 【周辺図(マピオン)】
撮影された写真のタイムスタンプを見ると、この日は異例なほど朝早くに出発していた。
確かに6月の朝は4時台から明るい