1. 三島村の三つの島(竹島・硫黄島・黒島)
薩摩半島から50~60km南の沖合に、三つの小島が浮かんでいる。
三つの小島とは、三島村に所属する、竹島、硫黄島、黒島のことである。
このうち竹島と硫黄島は、薩摩半島最南端の長崎鼻や、
九州最南端の佐多岬から眺めることができる。
とくに硫黄島は、海から火山が突き出したその風貌から、遠くから視認しやすい島だ。
これら竹島・硫黄島・黒島へは、村営旅客船「フェリーみしま」で鹿児島から向かうことができる。
隔日で朝、鹿児島港・南埠頭を出港して、
竹島、硫黄島、黒島の順に接岸する。
二日一往復なので、その日じゅうに鹿児島へは戻らず、黒島の片泊港での碇泊となる。
翌日の朝、黒島を出ると、硫黄島、竹島の順に接岸して、鹿児島へ戻る。
上りか下りのどちらかが隔日に運行されるので、あらかじめダイヤを調べておきたい。
近年は、夏の繁忙期に、枕崎に立ち寄よる運行ダイヤも組まれている。
三島村は戦前は十島村に属していたが、
トカラ列島が戦後アメリカに接収されたのを契機に、十島村から分離独立した。
現在は十島村と共に、役場が鹿児島市内にあるが、
役場がその自治体の土地にないのは、全国でも鹿児島県の三島村と十島村、
そして沖縄県の竹富町だけである。
ちなみに竹富町役場があるのは石垣市である。
小さな離島が集まった自治体は、拠点となる場所がその近隣の都市になってしまうが、
役場が自治体の外にあると、村職員の住民税が自治体に還元されない問題が発生する。
三島村の人口は400人余り。その半数は黒島にいて、過疎化が深刻な状況にある。
島の主な産業は畜産業で、黒毛和牛である鹿児島黒牛の生産が盛んである。
2. 竹島
竹島と聞くと、韓国に占領されている竹島を連想するかもしれない。
しかし、あちらは島根県の竹島で、こちらは鹿児島県の竹島でまったく別の島。
竹島の名前の由来は単純明快で、
島全体が琉球竹で覆われた「竹の島」という、それだけのことだそうだ。
竹島のそのすぐ東側には、南西諸島へ向かう航路があり、
屋久島航路や十島航路、奄美・沖縄航路を行き来するフェリーから、竹島は良く見える。
細長く、高低差のない平でなだらかな島で、
周囲は13km、人口は100人にも満たない小さな島である。
黒毛和牛の放牧が盛んで、島の